スペイン旅行記(3/4) ;オリーブの木にまつわる発見
何となく、「スペインの夏は暑い」というイメージがある。
強烈な日差しが容赦なく照りつける、太陽と情熱の国。
ところが、夏のスペインは意外にもそれほど暑くはなかった。
確かに午後の日差しは強かったが、外出が不可能なほどではない。
第一帰国してから東京の暑さに衝撃を受けたくらいだから、
日本の夏と比べれば何事かあらん。
その違いはおそらく湿度によるものだろう。
悪名高き日本の夏の蒸し暑さはその高い湿度によるものであり、
一方のスペインは砂漠に近いと言えるくらいに土地・空気が乾燥している。
そしてもう一つ気づいたのは、スペインでは朝晩が非常に涼しいこと。
実は水蒸気は非常に強力な温室効果ガスで、
(絶対)湿度が高いと夜になっても気温が下がらない。
逆に砂漠などの乾燥した地域では、夜の間に大きく温度が下がるのである。
強烈な日差しが容赦なく照りつける、太陽と情熱の国。
ところが、夏のスペインは意外にもそれほど暑くはなかった。
確かに午後の日差しは強かったが、外出が不可能なほどではない。
第一帰国してから東京の暑さに衝撃を受けたくらいだから、
日本の夏と比べれば何事かあらん。
その違いはおそらく湿度によるものだろう。
悪名高き日本の夏の蒸し暑さはその高い湿度によるものであり、
一方のスペインは砂漠に近いと言えるくらいに土地・空気が乾燥している。
そしてもう一つ気づいたのは、スペインでは朝晩が非常に涼しいこと。
実は水蒸気は非常に強力な温室効果ガスで、
(絶対)湿度が高いと夜になっても気温が下がらない。
逆に砂漠などの乾燥した地域では、夜の間に大きく温度が下がるのである。
夏に飛行機や列車の窓からスペインの大地を見れば、
誰もが荒涼とした印象を受けることだろう。
誰もが荒涼とした印象を受けることだろう。
その理由は、延々と広がる耕作地に何らの作物も育てられていないこと。
見える耕作地の大半は、オリーブの木がまばらに植えられた果樹園か、
黄色っぽい刈り取り跡しかない小麦畑である。ちなみに、
気温の低くない地域では小麦は冬に育てられ、夏が来る前に刈り取られる。
私が日本人だからだろうか、この光景は何とももったいなく見えた。
せっかくの夏場の太陽が農業に利用されていないのである。
植物のない荒野に降り注いだ日光は光合成に利用されることなく、
そのまま熱になって大地とその周囲の空気の温度を上げる。
この国の農業の非効率さは、人々の食事にも表れている。野菜が全然ないのだ。
レストランでメインディッシュ風の料理を注文すると、パンはついてくる。
しかし野菜はついてこない。メニューを見ると「サラダ」は別にあり、
それらはメインディッシュ並の値段なのである。
レストランでメインディッシュ風の料理を注文すると、パンはついてくる。
しかし野菜はついてこない。メニューを見ると「サラダ」は別にあり、
それらはメインディッシュ並の値段なのである。
驚いたのは、ホテルの朝食にもサラダや野菜が全然ないこと。
別に安宿に泊まったわけではなく、朝食はもちろんビュッフェ・スタイルだった。
にもかかわらず、本当にサラダや野菜が全然ない。
これはもう、スペイン人の常識に「野菜が大切」という概念がない
と解釈しなければならない。
それでもビタミンCだけは摂っておこうとオレンジジュースを頼むのだが、
これが意外と高い。
コップ一杯(ただし大きさは違う)の値段で見ると、
シードラやサングリアといったアルコール飲料よりも高い。
ちなみに一番安いのはビールだった(ただの”水”はメニューになかった)。
まだ昼間でアルコールは飲みたくない、という人は
「レモナード」を注文するとよい。
正確な名前は分からないが、これにかき氷を入れてシャーベット状にした飲み物を
炎天下歩き回った後で飲んだときは本当に生き返る思いがした。
ではスペイン人は不足するはずの栄養素を何から補充しているのだろうか?
スペイン人が日本人よりも目立って多く口にするものというと、
ワインとオリーブくらいしか思いつかない。
オリーブと言えば、耕作地の多くを占めているのがオリーブの木であった。
飛行機から眺めると、山岳部の頂上付近でさえ
灌木が格子状に並んでいる様子が見える。これは人工的に植えられた証拠だ。
スペイン人が日本人よりも目立って多く口にするものというと、
ワインとオリーブくらいしか思いつかない。
オリーブと言えば、耕作地の多くを占めているのがオリーブの木であった。
飛行機から眺めると、山岳部の頂上付近でさえ
灌木が格子状に並んでいる様子が見える。これは人工的に植えられた証拠だ。
列車の窓から見ると、それらの灌木はオリーブの木であることが分かる。
誰がどうやって実を採るんだ?と思うような急な斜面にも植えられている。
車窓からの風景というと、スペインでは広大なヒマワリ畑が有名で、
私もそれを楽しみにしていた。実際南部のグラナダ近くにはそれがあった。
…が、植えられていたヒマワリは全て黒々と枯れていた。
そんな、まだ7月なのに。綺麗に咲き乱れるヒマワリ畑が見たければ、
どうやらもっと早い時期に行かなければならないようだ。
そんなわけで、グラナダまで4時間も続く列車の旅は
延々と続くオリーブの果樹園しか見えない退屈なものだった。
しかし、そんなときにこそ人の観察眼は発揮されるもの。
ある一角に、オリーブの苗木が植えられていた。
その様子が妙で、飛行機から見たのと同じく格子状に並んでいるのだが、
その格子点には必ず2本の苗木が向かい合うようにして植えられていた。
そうか、分かった。オリーブって、雄木と雌木があるんだ。よく見れば
大きくなった大人の木も根元で2本、3本、4本に分かれている。
え、4本!?それってハーレムってこと?それともイスラムの教えなのか…。
さらによく見れば、明らかに1本ずつ植えられているところもある。
たかがオリーブの木にしても、栽培するのにいろいろとあるようだ。
延々と続くオリーブの果樹園しか見えない退屈なものだった。
しかし、そんなときにこそ人の観察眼は発揮されるもの。
ある一角に、オリーブの苗木が植えられていた。
その様子が妙で、飛行機から見たのと同じく格子状に並んでいるのだが、
その格子点には必ず2本の苗木が向かい合うようにして植えられていた。
そうか、分かった。オリーブって、雄木と雌木があるんだ。よく見れば
大きくなった大人の木も根元で2本、3本、4本に分かれている。
え、4本!?それってハーレムってこと?それともイスラムの教えなのか…。
さらによく見れば、明らかに1本ずつ植えられているところもある。
たかがオリーブの木にしても、栽培するのにいろいろとあるようだ。
帰国からネットで調べたところ、↓がその答えのようだ。
http://www.h.chiba-u.jp/soudan/kajyu/olive.htm
> オリーブは単植でも結実できる自家和合性の品種もあるようですが、一般には
> 自家不和合性が強く、また、品種の組み合わせによっても結実できない
> 他家不和合性の性質も有しています。
雄木/雌木仮説はハズレ。どの木もめしべをつけ、上手くすれば実を付ける。
ただし実を付けるためには他の木から来る花粉が必要、ということらしい。
しかもオリーブは風で花粉を飛ばすタイプのようで、
虫に頼ることもできないようだ。
ふーん、もしかするとスペインにはオリーブ花粉症があるのかもしれないな。
そんな人にとっては、パンにさえオリーブオイルを垂らして食べるスペインは
耐えがたいところに違いない。
オリーブ花粉症(アレルギー)に苦しむ人々のためにも、
スペインで大規模な野菜の栽培を行えば成功するのではないかと思う。
http://www.h.chiba-u.jp/soudan/kajyu/olive.htm
> オリーブは単植でも結実できる自家和合性の品種もあるようですが、一般には
> 自家不和合性が強く、また、品種の組み合わせによっても結実できない
> 他家不和合性の性質も有しています。
雄木/雌木仮説はハズレ。どの木もめしべをつけ、上手くすれば実を付ける。
ただし実を付けるためには他の木から来る花粉が必要、ということらしい。
しかもオリーブは風で花粉を飛ばすタイプのようで、
虫に頼ることもできないようだ。
ふーん、もしかするとスペインにはオリーブ花粉症があるのかもしれないな。
そんな人にとっては、パンにさえオリーブオイルを垂らして食べるスペインは
耐えがたいところに違いない。
オリーブ花粉症(アレルギー)に苦しむ人々のためにも、
スペインで大規模な野菜の栽培を行えば成功するのではないかと思う。