マスコミがAIIBを推す理由(補筆)

私の考察による結論は、先に書いたとおり
「日本のマスコミがAIIBを推す理由は、彼らのスポンサーである日本の企業が
 中国での企業活動のために中国人民の反日意識を緩和させる目的で
 日本をAIIBに参加させたいため」
というものである。

一方、このところのゴリ押し的なAIIB関連の報道により
日本国内の世論はその逆に反AIIBの方向に傾いているようである。
現在(2015/04/24)ネット上で見られる世論調査の結果としては
下記のNNNの結果があり、
http://www.news24.jp/articles/2015/04/19/04273305.html
> AIIBに日本が創設メンバーとして参加しなかったことについて「良いと思う」が
> 45.6%に上り、「良くない」は17.3%、「わからない、答えない」が
> 37.1%だった。
となっている。数日前にはNHK世論調査でも大体同じような結果が出ていた。
2月以前にはそもそも日本人の大半が「AIIB」の存在すら知らなかったことを考えると、
この1か月ほどになされてきた日本のマスコミによるAIIBゴリ押しの報道は
日本国内に反AIIBの世論を作り出した
と解釈することができる。上に書いた私の考察による結論が正しければ、
日本のマスコミによるAIIBゴリ押しの報道は今後は鳴りを潜めることになるだろう。
当然マスコミは私よりも世論の誘導に関して詳しいはずなので。

だがしかし、これで全てが解決できたわけではない。NHKの存在である。
NHKは特定のスポンサーを持たないはずなので、
先に書いた私の考察は当てはまらない。
NHKの報道姿勢に関してはこれでは説明がつかないのだ。
いや、NHKは取材に協力した企業でさえその企業名を懸命に隠して報道しない
というほど”偏らない公正な報道姿勢”にこだわっているのだから、
AIIBゴリ押しの報道がなされていること自体そもそも合理的に説明できない。
AIIBだけではない。先日などは、「中国政府は『一路一帯政策』を掲げています」。
へー、そうなんだ。で、それが日本(国民)とどんな関係があるの?
残念ながら、NHKに関してはその中枢部に偏った思想の持ち主がいて
報道や番組制作にその影響力を行使している、と解釈するしかないだろう。

私は「親中や親韓の姿勢が悪い」と言うつもりはない。むしろ推奨されるべきだと思う。
私が悪いと考えるのは、「媚○の姿勢」である。
「親○」と「媚○」。似ているようで、この二つは明確に異なる。
「親○の姿勢」とは、○についてやや上から目線、あるいは客観的に考察した上での
友好的な態度のこと。
少し前に韓国で提唱されていた「用日」;反日意識を抑えてうまく日本を利用しよう
という姿勢がいい例だと思う。
一方「媚○の姿勢」とは、○について下から目線で語り、
客観的な考察を避けて悪い側面には触れない、というありかたである。
多くの場合、その心には相手に見返りを求める真意が潜んでいる。
韓国では親日的な態度には「親日罪」という罪が適用されるそうだが、
その精神で本来罰せられるべきは”媚日的な態度”であろう。
現在の韓国大統領は国民の一部から「親日的だ」と糾弾されており、
一方マスコミや世論には媚中的な記事・発言が氾濫している。
あの国がもし漢字を捨てていなければ、これらの違いが理解できたかもしれないのだが。

NHKに話を戻すと、
「中国政府は『一路一帯政策』を掲げています」という先述のニュース報道では、
それが日本国民とどう関わるのかという説明が一切なされなかった。
これは明らかに媚中的な報道姿勢である。
ちなみに中国政府の言う「一路一帯政策」とは、
中国とヨーロッパを結ぶ陸路(一帯)と海路(一路)を重点的に開発する
という政策のこと。
要するに「ヨーロッパを志向する」という政策であり、日本とは何の関係もない。
むしろ注目すべきは、”一路”には台湾やフィリピンの南沙諸島が含まれており、
”一帯”には漢民族が異民族を支配しているウイグル自治区、さらには現在紛争中の
ロシア・ウクライナが含まれている点であろう。
現在中国が勝手に南沙諸島に軍事基地を建設しているニュースには触れず、
AIIBに関連して中国政府の掲げる政策を一方的に述べるだけ
このような媚中的な報道がなぜNHKで許されるのか?

幸い、日本人はまだこのような報道を受け入れるほど白痴化してはいなかったようだ。
むしろ心配すべきは、このようなゴリ押し報道が続くことが逆に
日本国民の意識の中に”嫌中の種”を播く結果につながらないか、ということである。
報道に携わる者は自らの利害を考えてはいけない、とまでは言わない。
が、取り返しのつかない結果を招くまで自己満足を追求しても
最終的には後悔しか残らない、という事実を経験からではなく歴史から学んでほしい
と切に願う。