ネパール旅行記(1/4) ;世界の屋根

9月のはじめにネパールに行ってきた。完全な観光目的である。
ネパールはインドの北側、ヒマラヤ山脈の南側に広がる国で、文化や人種はインドに近い。
何かのテレビ番組で見てあまりの異文化っぷりに驚き、一度行ってみようと
記憶していたこと、そして今年の日本、特に関東の夏は暑そうだから、
せめて涼しそうな国で数日間を過ごしたい
というのが今回のネパール旅行の動機である。
 
ネパールにはいくつもの観光名所・観光資源があるが、No.1は何といっても
エベレストに代表されるヒマラヤ山脈である。
今回の旅行では残念ながら日程が短かったため(日程さえあればエベレストくらい
さくっと登ってこれたのに…)、ヒマラヤ山脈の観光はマウンテン・フライトで実施した。
マウンテン・フライトで乗った飛行機は乗客乗員合わせて定員18人のプロペラ機で、
飛行時間は1周(往復)1時間弱。
飛行高度は6,000m程度で、主要な山々と同程度の高さである。
5,000m級の低山(?)を見下ろすこともできる。
何も知らずに日程を組んだが、
後で知ったところではネパールでは9月までが雨季でオフシーズンだとのこと。
天候によってはフライトがキャンセルされる可能性もあったが、
当日の朝、山脈の天気は快晴で遠くの山まできれいに見えた。
イメージ 1
 
乗客は定員いっぱいの15人で、うち10人ほどは中年白人男性のグループだった。
年齢層には少し幅があったので、おそらく職場の同僚だろう。
そして、国籍は間違いなくアメリカ。自動車か飛行機の工場労働者とみた。
やたらハイテンションで、楽しそうだった。
なんか、そういう旅行のできるライフスタイルの職場というのが世の中で
最も理想的なのではないかと思う。経済的、人間関係的、精神負荷的な意味で。
 
他日、ナガルコットという日の出/日の入りの絶景スポットにも行った。
標高2,100mの高台にあり、同1,300mのカトマンズから車で2時間ほどの
距離(渋滞が始まる前の早朝の場合)。
北側にはヒマラヤ山脈が、それ以外の方角にはカトマンズ盆地が広がる。
こちらも同行のガイドさんに「こんなに晴れるのは珍しい。運がいい」と
言われるほどの好天に恵まれた。
イメージ 2
ただし、「雲一つない」とは言わない。
眼下に広がるはずのふもとの世界はすべて雲海によって覆われていたからである。
雲上の山脈もきれいだが、ふもとの世界を覆う雲海の画もまたファンタジーでしか
見ることのできないような壮大な眺めだった。
イメージ 3
 
このときは「日の出を見るツアー」で、現地には日の出の1時間前に到着。
日の出の画もきれいだが、それは太陽が主役のきれいさである。
そのとき、山々の姿はほとんど見えない。写真も撮れない。
実は、山脈がきれいに見えるのは日の出よりも前の時間である。
標高2,100mのナガルコットではまだ太陽が顔を出していない時間、
高い山々は既に太陽によって照らされている。
何も見えなかった近くの山の端の上空にうっすらと白い山脈のシルエットが浮かび上がり、
やがてその東側の斜面が赤くはっきりと見えるようになる。
雪に覆われた斜面のみが、高い光の反射率によってそのように見えるようだ。
イメージ 4
「日の出を見るツアー」に行くのであれば、日の出よりも十分早い時間に到着できるよう、
余裕を持った計画を立てなければならない。