#旅行

スペイン旅行記Ⅱ(4/4) ;情熱とガウディの夢

スペインの諸都市を旅行する者は、芸術ということについて考えさせられる。そもそもヨーロッパの大抵の都市は芸術であふれかえっているのだが、その中でもスペインは別格なところがある。芸術とは何かと考えてみると、英語では「Art」、これは意味としては「…

スペイン旅行記Ⅱ(3/4) ;パエリヤ食べ歩き・下

二皿目のトライは、トレドの旧市街にあるレストランでのこと。トレドはマドリッドの近郊にある都市で、小高い丘の上に造られた城塞都市の様子を今に残す観光都市である。全体が世界遺産に登録されている。歴史的な石造りの家 トレドのカテドラルと市街地 屋…

スペイン旅行記Ⅱ(2/4) ;パエリヤ食べ歩き・上

スペインを代表する料理は何だろう。旅行者がスペインでよく口にする料理となると、タパスだろうか。しかしタパスとは一ロサイズの小皿料理のことであり、特定の食材や調理法による料理名ではない。もっぱらバルでアルコール飲料のつまみとして出されるもの…

スペイン旅行記Ⅱ(1/4) ;太陽とガウディの街

今年の夏休みを利用してスペイン旅行に行った。首都マドリッドから南部アンダルシア地方のグラナダ、それに北東部カタルーニャ地方のバルセロナの主要三都市を巡る旅行である。スペインには5年前(2014年)の同じ時期にも旅行に行っており、そのときにもマド…

スリランカ旅行記(1/4) ;夕陽のインド洋

2018年の年末から翌年始にかけて、スリランカを旅行した。 日本人にとってスリランカはそれほどメジャーな観光地だという認識は薄いのだが、 世界的にはメジャーな南国リゾートの観光地として認知されているようである。 前世紀末頃には内戦やテロが発生して…

ベトナム・サパ旅行記(3/3) ;サパへの道

今回ベトナム北部に位置するサパへの移動は、ハノイを起点とする鉄道を利用した。 夜にハノイ駅を出発して翌朝にサパの手前のラオカイ駅に到着する夜行列車である。 かつてベトナムがフランスの植民地だったころにフランスが作った というこの鉄道では、走行…

ベトナム・サパ旅行記(1/3) ;棚田の里トレッキング

今年(2018年)の夏休みに、ベトナムへ行った。 目的は、少数民族が伝統的な生活を送っているという北部サパ地方を訪れること。 ベトナムへは過去に二度行っているが、 初回旅行時の旅行記を書くためにいろいろ調べていたとき サパ地方の話をしばしば見かけ…

ブータン旅行記(1/4) ;高地の花

6月(;2017年)にブータンへ旅行に行った。個人旅行ではなく、旅行会社のパック・ツアー。 秘境の国ブータンはいまだ個人で自由に旅行できる国ではなく、 旅行会社のパック・ツアーでしか観光旅行ができないのだ。 今回参加したツアーは単なる観光旅行では…

ミャンマー旅行記(2/4) ;意外にも砂漠

ミャンマーでは、5月中基本的に学校が夏休みだという。 なぜなら、ミャンマーでは4月~5月が一年で最も暑いからである。 5月下旬からは雨季となり、午後からは激しいスコールが降って気温が下がる。 そして10月以降は乾季となり、日本の初夏のような過ご…

ミャンマー旅行記(1/4) ;黄金色の仏塔

このGWに、ミャンマー旅行に行った。 目的は特にない。 ただ、少し前まで今の北朝鮮みたいな扱いで普通には行けない国だったのが、 最近は結構簡単に行けるらしい、という話を聞いて行ってみようと思った。 ミャンマーは東南アジアで最も西の国であり、タ…

メキシコ旅行記(4/4) ;幻の湖

現在のメキシコの首都メキシコシティは、 スペイン人がやってくる前のアステカ王国の時代にも首都だった。 その町は「テノチティトラン」と呼ばれ、 「テシココ湖」という湖の上に作られた人工島に建設されていたという。 しかし16世紀、スペイン人がやって…

メキシコ旅行記(2/4) ;サボテンのツナ

言うまでもなくメキシコはアメリカの南に位置する国で、 アメリカとの間に長い国境線を持っている。 メキシコに対する日本人のイメージは、 「不法労働者と移民」「麻薬の密輸」「カリブ海リゾート」 大体こんなところだろう。アメリカを通して見たメキシコ…

シンガポール旅行記(1/3) ;三大異味

このGWにシンガポールへ旅行に行った。旅の目的は、特になし。 東南アジアの中でまだシンガポールへは行ったことがなかったこと、 そして久し振りに南国の雰囲気を感じたくなったことが シンガポールへ行こうと思った主な理由である。 ”南国の雰囲気”にもい…

スペイン旅行記(4/4) ;スペインの夜

今回の旅行では、羽田発のルフトハンザ航空を利用した。 日本からスペインへの直行便はないそうで、フランクフルトでトランジットを行う。 ところが、フランクフルトの空港に降りて乗り換え便の表示を探すと そこには「cancel」の文字が。 これは不可避で深…

スペイン旅行記(2/4) ;アルハンブラ宮殿

今回スペインへ行くに当たりプラド美術館の鑑賞以外にもう一つ目的としていたのは、 南部の街グラナダにあるアルハンブラ宮殿を観ること。 スペインの中央部に位置する首都マドリッドから400kmほどの距離にあり、 マドリッドからスペインの高速鉄道AVEで行く…

ラオス旅行記(4/4) ;子供の笑う国

ラオスの国の一番の印象は、「子供が多い」ということだ。 みんなで明るく元気に外を走り回っている。 ラオスにも当然学校はあり、小学校へ上がる前の幼稚園に相当する学校もあるらしい。 だから平日は子供は学校に行っているはずなのだが、 平日の昼間に遊…

ラオス旅行記(2/4) ;メコンの流れ

ベトナム戦争を知っている人にとって、ラオスはベトナムに近い国だという印象だろう。 実際ラオスはベトナムと共にフランスの植民地として管理されており、 その後北ベトナムの共産党が越境してラオスにも共産党政権を打ち立てた。 ベトナム戦争時代、北ベト…

ラオス旅行記(1/4) ;仏教の息づく街

この年末の休みを利用して、ラオスのルアンパバンに旅行に行った。 ラオスはタイとベトナムの間にある東南アジアの内陸国で、 日本ではあまり馴染みがないかもしれない。 その首都はビエンチャンで、第二の都市がルアンパバンである。 かつての王国時代には…

ボルネオ旅行記(4/4) ;高校生の二つの興味

日本人にとって、マレーシアはそれほど馴染み深い国ではないかもしれない。 だが世界史と地理を学ぶ者に対しては、かの国は二つの興味をかきたてる。 世界史、あるいは大航海時代に興味を持つ者にとって、 マレーシアやインドネシア等の東南アジアの印象は"…

ボルネオ旅行記(3/4) ;マレーシア人の休日

今回のコタ・キナバル旅行では、航空券だけ旅行社でとってもらい、 宿はネットで自分で予約した。 …が、何をどう間違えたか、市街地から遠く6kmも離れたホテルをとってしまった。 そのホテルは"シティ・モール"というショッピング・モールに隣接していた。 …

ボルネオ旅行記(1/4) ;熱帯ジャングル

遅めの夏休みをとり、ボルネオ島北部にあるコタ・キナバルに行ってきた。 ボルネオ島は日本よりも大きく、島がインドネシア、マレーシア、そしてブルネイと 3つの国によって占められている。 コタ・キナバルはそのうちマレーシアに属している。 ボルネオ島…

ベトナム中部旅行記(6/7) ;ロードtoホイアン

8:02発の電車に乗るべく、昨日つきまとってきたシクロの運転手を6:40に待たせていた が、それを無視してホテルで朝食を食べた。食堂が開く5分前に行くといつものお姉さ んはおらず、年配のおばさんだけがいた。話はほとんど通じなかったが、何かの葉っぱ の…

ベトナム中部旅行記(3/7) ;ホテル・カナリー

(前回からの続き) そう考えてスタイルのいい一人の女性に尋ねてみた。 「ベトナム人もダイエットをするの?今は世界中の人間が体重を気にしてるんだけど」 「?(通じていないっぽい)」 「『ダイエット』は、スポーツをしたり走ったり、食べ物を少ししか…

ベトナム中部旅行記(1/7) ;交易都市ホイアン

この9月に丸一週間の休みを取り、前後の休日と合わせて計10日の長期旅行に出かけた。 (これでも)これほどの長期旅行は初めてで、 なるべく1か所の拠点を中心に滞在する旅行にしようと考えた。 いくつか考えた候補地の中から最終的に選ばれたのが、ベトナ…

ロシアSt.P.旅行記(1/4) ;エルミタージュ美術館

このGWにロシアのサンクト・ペテルブルグを旅行してきた。 世界の博物館巡りの一環としてエルミタージュ美術館を訪れることが一番の目的だ。 旧共産圏の国としては既に何度も中国を旅行しているが、 ソビエト連邦の一角(というかその中核)であった国を訪…

モロッコ旅行記(3/4) ;タンジーヤ

モロッコというとアフリカ、アフリカというと黒人の大陸、というイメージがあるが、 実際のところモロッコの国民の多くはアラブ人、すなわち(南方系の)白人である。 かつてフランスの植民地(保護国)だった頃の移住者かもしれないが、 男性ではフランス人…

モロッコ旅行記(2/4) ;アトラスの大地

モロッコは、鉱物愛好家の間では結構一目置かれる国である。 ミャンマー(特にモゴック)やブラジル(特にミナスジェラス)ほどではないにせよ、 そこそこメジャーな鉱物標本や化石を豊かに供給している国として有名である。 有名どころでは砂漠のバラや三葉…

モロッコ旅行記(1/4) ;砂漠ツアー

年末年始の休みにモロッコに行ってきた。アフリカの北にある砂漠の国である。 なぜかは分からないが、無性に砂漠が見たくなったのだ。 はじめはもっと近場で中国の内陸を考えていたが、砂漠とはいえ冬は恐ろしく寒いらしい。 でも、(いくら北半球とはいえ)…

ネパール旅行記(4/4) ;ブータンの主張

身近な人にネパール旅行の話をすると、9割の場合 「確か『幸福指数』か何かを導入した幸福な国じゃなかった?」 というような反応をされる。 そして、大抵の人はそれが文化鎖国状態にある隣国ブータンのことであると知っている。 この点についてもう少し正…

ネパール旅行記(3/4) ;ガイドたちの物語

観光地、特にアジア諸国では、英語や日本語で気安く話しかけてくる現地人は相手にしない というのが常識である。 ところが、ネパールではこの常識を持って歩くとかなり大変である。 日本人面した観光客が一人で観光地を歩いていると、必ず誰かが話しかけてく…