ネパール旅行記(2/4) ;カトマンズ・シティ

ネパールは北海道の2倍ほどの広さで、標高落差は世界一である。
エベレストからジャングルまで国中に観光地があるが、
今回は初めてということで首都カトマンズの周辺を見て回るにとどめた。
首都とはいっても、近代的なビルはほとんどない。
本来「旧市街」と呼ぶべき(「新市街」がないのでそう呼べない)、
中心部の雑然とした区域が多くの市民にとって生活の場となっている。
道は狭く、にもかかわらず自転車、バイク、さらには軽自動車までが
ひっきりなしに往来している。
それだけでも驚きだが、さらに驚くべきはそれが信号なしで実現していることである。
さすがにカトマンズにも信号はある。が、それらが点灯していない。
ガイドさんは「カトマンズでは電力が不安定でよく停電になるから」といっていたが、
停電になっていなくても点灯している信号は一つも見なかった。
おそらく、「よく停電になるから、市民を信号に慣れさせてはいけない」
ということなのではないかと思う。
なお、街中を走る自動車の数は決して少なくはない。昼間はもちろん大混雑である。
ただ不思議なことに、渋滞はしていなかった。
 
カトマンズや周辺の街の印象は、ただ一言で「ファンタジー」である。
建物は5~6階建てで、レンガと木材からできている。
上層部を草などの植物が覆っているところがファンタジーっぽい。
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そしてそんな街の中に、ヒンズーや仏教の寺院が点在している。
いや、寺院というよりは祠や社(やしろ)というべきものである。
それらが生活の場である市街と見事に調和しているように見えるのは、
集合住宅や寺院、さらには王宮までが囲いで囲われていないからだろう。
建物同士の間に隙間があればそれが道となり、建物同士が隣接していればお隣さんである。
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メインの建材であるレンガは、郊外の地で土を焼いて作っていた。
さすがに最近の建設現場では鉄筋を見かけたが、
崩れかけの古い建物を見る限りだと建物は基本的にレンガを積み上げて作られている。
一つ確かなのは、この国には地震がないということだ。
同じくレンガで作られているという古い塔(高さ60m)があり、登ってみた。
…え、「この塔のオリジナルは1934年の大地震で倒壊しました」!?
考えてみれば、ここはアルプス・ヒマラヤ造山帯のお膝元。地震がないわけがない。
基本的に高い場所を怖いと感じない私も、
足がすくんでしまってこの塔の上には長くとどまっていられなかった。
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ネパール人は身体的にも文化的にもインド人と似ている。
(ただ、ネパール人はインドを嫌っているらしい。近親憎悪か?)
男性の服装は普通なのだが、年配の女性はほとんどといってもいいくらい高い比率で
民族衣装のサリーを着用していた。これはかなりきれいで、絵になる。
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しかもお祭りでもないのに街は人でごった返しており、大変に活気がある。
宗教建築の周囲やちょっとした広場には野菜などの売り物を並べた人が陣取っており、
売り物を売るでもなくお茶を飲みながら周りの人と話をしていた。
インドには未だ行っていないが、インドの街もこんななのだろうか?
 
インド人は人種的にはいわゆる白人、コーカソイドに分類される。
前述のナガルコットには軍のキャンプがあり、日の出観賞ツアーの帰りに
山道をランニングする軍隊を見かけた。
彼らは男の私から見ても相当なイケメンばかりだった。
たとえるなら、前世紀中葉、古き良き時代のハリウッド俳優のような顔立ちである。
私は、かつて大英帝国を裏側から支えた屈強な外人部隊「グルカ兵」の正体が
ネパールの山岳民族であることを知っている。(;今でもいるらしい)
もしかすると、山岳民族ってなにげに優秀なんじゃないの?
おい、私のことを散々「岐阜の山猿」と馬鹿にしていた友人達よ、聞いてるか?